ディベート部憲法


ディベート部憲法とはディベート部の前身である社会科学研究会が定めた部内規範である「社研法」を発展させて制定した、ディベート部内の最高法規です。
その内容は日本国憲法の戦争放棄などに強い影響を受けたもので、歴史的背景(部員が少ないことなど)から部長権限が強力すぎるなどの問題はありますが、民主的な平和憲法として四日市高校ディベート部が誇る法典となっています。
ちなみに、ディベート部の執行部は法的な強制力を持たない(主に執行部としての個人的権威に依存)ため、ディベート部憲法が常に遵守されているわけではないというのが悩みの種です。それでも、部内の規定としてディベート部憲法の内容は大きな影響力を有しています。


前文
偉大なる先代が築き上げた社会科学研究会はディベート部へと発展し、その形態も大きく変貌した。時代の変革と新体制に相応しい憲法として、社研法も生まれ変わる運命にあった。新しき時代に生まれた我々ディベート部員には社研時代の意思を踏まえつつ、将来ディベート部の進むべき道を後輩達に示す責任がある。この責任を果たすため、ディベート部員はこのディベート部憲法を制定した次第である。
部活動の運営は、部の平和とさらなる発展を達成し、平等である部員相互の関係を深めるために行われるものである。そしてその達成は、他でもない部員自身によって成されるべきである。われらは、ディベート部の自治を維持し、四日市高校の中で名誉ある地位を占めたいと思う。そして、われらはその目的を達成するため、生徒会をはじめとする諸機関や部活動顧問との協調を守り、主権者たる部員自らの手で部を運営していかねばならない。われらは、この方針に反する一切の憲法、法令及び部長権限を排除する。
また、我々がディベート部を標榜する以上、部活動の根幹はディベートにおかれなければならない。我々はより良いディベート、すなわち勝敗を越えて議論の内容及びコミュニケーションにおいて優れたスピーチを目指し、自らのディベート力発展とディベートの普及を目標として活動し続ける必要がある。我々の全ての行動はこの方針に反するものであってはならず、ディベートへの純粋な努力を妨げる一切の行動は退けられなければならない。この憲法においてもディベート活動への集中は最大限尊重されるべきであり、全ての部員はこの目標を常に意識する必要がある。
ディベート部員はわれらとわれらの後輩のために、ディベートによる成果と、わが組織全体にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、ここに主権が部員に存することを宣言し、この憲法を確定する。

第一条 <部活の愛称>
四日市高校ディベート部の愛称は Academic Debate Club (略称ADC)とする。
第二条 <執行部組織の規定>
一、部の運営について、部長1名、副部長1名、顧問若干名と、場合に応じて部門別の担当相を置く。また、部長及び部長は部活運営の執行部として部を代表する。
二、部長は指揮権と統帥権(1)を有し、部長不在の際は副部長がこれを行使する。
三、部長及び副部長の任期は原則4月1日より1年とする。しかし、尋常ならざる理由があれば、8月上旬までの例外的任期延長を認める(2)
四、顧問は部活動の学校側責任者として公式試合に帯同し、また時に応じて助言等を行う。
五、部長及び副部長の選出は原則として先代の部長・副部長が行い、担当相の選出は部長・副部長が行う。ただし、選出に際して正規部員間での合議を行うことはこれを妨げない。
六、部長・副部長が重大な不祥事を犯した場合、その権限は無条件で失効し、他の部員から速やかに後継の執行部が選ばれるものとする。
第三条 <総裁職の規定>
一、部長を引退した者で在任中部の発展に大きく貢献した者について、名誉職として総裁(3)の職を与えるものとする。
二、総裁は部のよき相談役として、特別顧問の任に就くものとする。特別顧問の任務に関しては、法律で別に定めるものとする。
三、総裁たる要件は、法律でこれを定める。
第四条 <ディベート部の活動内容>
活動内容はディベートに関係する諸活動とする。ただし、部員獲得のための勧誘活動やディベート部の宣伝、文化的事業である四高祭の展示・冊子作成及びHP上の文章執筆活動なども、ディベート関連の活動をおろそかにしない限りにおいて正規の活動に含まれるものとする。
第五条 <ディベート部の活動場所>
一、活動場所は四日市高校ゼミ室とする。
二、ディベート部の領土は活動場所たるゼミ室及びゼミ室前渡り廊下の突出部までとする(4)
三、ディベート部の領有権は四日市高校から委任されているものであり、四日市高校からの法令に基づく使用権の制限には応じなければならない。ただし、四日市高校及びこれに関係する諸団体からの正式な通告なき不当な主権侵害に対してはこの限りでない。
第六条 <ディベート部の活動日程>
一、活動日及び部活動の行事日程は部長が定めるものとする。ただし、部長は活動予定策定に際し、部活運営に支障が生じない限りで部員の要望を最大限受け入れなければならない。
二、大会論題発表後及び練習試合前は原則として毎日活動するものとする。
三、四日市高校で実施される定期考査及び実力試験の1週間前から試験終了日の放課後は、試験週間として部活動を休止する。この規定は前項の規定に優先する。ただし、練習試合その他最重要とされる活動においては部長の判断及び関連部員の承諾において部活動を優先させることとする(5)
四、活動には全部員が参加することが望ましいが、参加を拒む部員に部活出席を強制してはならない。
第七条 <他校との協調外交>
他校とは友好外交を基調とし、連絡等を取り合える体制とする。また、東海地区の練習試合及び親善試合には、予算と時間が許す限り積極的に参加するものとする。
第八条 <校内での協調外交>
一、生徒会やほかの部活とは実利面での対立がない限り、友好関係を築くものとする。
二、他組織と実利面での対立が生じた場合、話し合いの場を設け、解決を図ること。その交渉代表権は部長が有するものとする。
三、生徒会の招集及び部長会議には必ず1名以上の代表者を出席させなければならない。
四、ディベート部の活動を中心にして活動する限りにおいて、部員の生徒会役員立候補ならびに他の部活動との兼部はこれを認める。
第九条 <平和主義と戦争放棄>
一、ディベート部は正義と秩序を基調とする対外平和を誠実に希求し、武力による威嚇または武力の行使は、永久にこれを放棄する。
二、前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。
第十条 <予算の管理運営>
一、ディベート部の予算折衝代表権、予算案策定権及びその執行権は部長が有する。
二、予算はディベート部の活動と部の発展に関連する事業にのみ使用される。
第十一条 <部費徴収の原則>
一、ディベート部は原則として部費を徴収しないものとする。
二、ディベート部部長は部活動に関わる正当な理由のある場合、特例として部費の徴収を行えるものとする。ただし、以下の原則に反する部費徴収は一切無効とする。

(1)部費の賦課金額は一人当たり2000円を越えてはならない。
(2)部費の賦課動機が明らかであり、また活動目的に合致していなければならない。
(3)賦課金額は全正規部員に公平に割り振られなければならない。
(4)部費の徴収は法で定められた手続きや要件を満たさない場合に執行されてはならない。

三、部費の徴収に関わる細則や手続きは、別にこれを定める。
第十二条 <近代技術の導入>
一、ディベート部は携帯電話やインターネット・Eメールなどの近代的通信技術の導入を積極的に進め、部員相互の連携及び部活運営の効率化を目指すものとする。
二、資料編纂・立論構成などのディベート関連技術を他校から積極的に導入することを怠ってはならない。論題研究会やディベート講習会への参加はこれを奨励する。
第十三条 <部員の義務>
ディベート部員は部の発展と部員の獲得に尽力する義務を負う。
第十四条 <部員の権利>
全てのディベート部部員は以下の権利を有する。

(1)試合等で個人が獲得した賞品などの所有権
(2)部内における思想及び通信の自由
(3)ディベート部を脱退する自由
(4)活動日程やその内容、部所有のディベート資料の内容を知る権利
(5)部活動運営への異議申し立てを行う権利

ただし、(1)に関して部活またはチーム全体で獲得した賞品や個人がその所有権を部活に委任した賞状類はディベート部が所有及び管理の権限を有する(6)。また、(2)に関しては部内の平和を破壊、もしくは対外的に問題があると部長が判断した場合はその制限を受け、(4)に関しては部活運営に著しい支障が生じると判断されるときに制限される場合がある。
第十五条 <部員の平等>
ディベート部員は全て平等であり、学年の上下または兼部の有無により差別されてはならない。ただし、法令で定めたる役職による権限の差異はこれに当たらない。
第十六条 <部長不信任決議>
一、ディベート部正規部員は部長に予算執行上の不正や部長として不適格な行動を認めた場合にその罷免を請求する権利を有する。
二、部長の罷免を訴える者はその不信任の理由について相当の証拠または正当な理由によってこれを説示する責任を負う。また、このとき部長には弁明の機会が保障される。
三、部長の罷免はしかるべき議論の終了後に行われる多数決において正規部員の3分の2以上の賛成により確定される。この後任は部員の合議によって速やかに決定されるものとする。
四、不信任を訴えるにあたり正当な理由を説明できなかった場合や罷免が否決された場合、その訴追人は謝罪の義務を負い、またその処遇は部長に一任される。
第十七条 <立法権の規定>
一、ディベート部正規部員はディベート部に関する立法権を持つ。
二、法案は正規部員及びに他で定めたる審議権を有する関係者の合議により、原則多数決での合意にて成立する。
三、ディベート部の運営方針に重大に関わる、若しくは年度部費総額の4分の1を超える予算を必要とする法案については部長に拒否権が与えられる。ただし、部長を除く部員の3分の2が賛成した議案については部長の拒否権は退けられるものとする。
第十八条 <憲法改正の手続きとその公布>
一、この憲法の改正は正規部員の合議により、3分の2の承認によって決定される。
二、憲法改正について前項の承認を経たときは、部長は直ちにこれを公布しなければならない。

2001年5月1日より施行
2001年8月20日一部改正
2003年4月1日全面改組
2003年10月1日全面改組

注釈・憲法解釈など
(1)指揮権とは、ディベート部の活動を代表し運営全般を指揮する権限を指す。統帥権とは、ディベート部が編成したチームを事前準備や試合の場で指揮する権限を指す。
(2)例外的任期延長は部員不足もあってほぼ慣例と化している。判例ではディベート甲子園出場を目指すことが「尋常ならざる理由」として認められている。従って、ディベート甲子園終了をもって部長が引退するのが通例となっている(だから8月上旬)。
(3)ディベート部の創設者である大エム氏の在部中の敬称が総裁であったことが名前の由来。
(4)渡り廊下がディベート部の部室領域に入るかどうかは特に根拠がない。また、ゼミ室・渡り廊下を横断して移動する一般生徒が存在することの問題もこの条文全体に大きく関わり、横断を容認する学説と容認しない学説の両者がある(憲法作成者の見解では活動の邪魔でなければ横断を容認している)。
(5)この一文によって、第六条全体が事実上死文化しているという指摘もある。つまりは、大会前には「全員の承諾が得られている」という名目で試験週間であっても部活動を開催するということである。現実では、試験3日前くらいまで部活が行われる(もちろん任意参加)ことが多い。ただし、第六条第4項の規定などにもあるように部活参加は強制されない。
(6)ベストディベーター賞などの個人への賞状はこれまでのところ全て部活動が委任されて管理している。ただし、2回ベストディベーター賞を受賞した京矢総裁に対しては卒業記念品としてそのうち1つを寄贈している。
また、チーム全体で獲得した賞品の扱いについては、2002年の東海地区夏季大会で各人に図書カードが寄贈された際にこれを部長(当時愚留米)の判断で部活の共有財産として資料購入費に繰り入れた例がある。

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